疫病利得は心の防衛反応

疾病利得だけでなく、この問題のメリット(二次利得)は、人それぞれであり、さまざまなものがあります。

人間関係、性格、仕事、お金、恋愛、家族、パートナーシップの問題にいたるまで、問題の裏側には、いろいろなメリットが隠されていることが多いです。

『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―』(著:橋本翔太/サンマーク出版)

ただし疾病利得の疑いがある人を、ただの怠けや、ずるい人と判断しないでください。好きで病気でいたい人は誰もいません。

また、病気でいることと、疾病利得があることは同義ではありませんので十分注意してください。

よくよく話を聞くと、そこには疾病利得を必要としてしまう悲しいストーリーが背景にあることがほとんどです。

意識的にわざと病気になっているわけではないのです。

自分では自覚のできない無意識の心の働きによるものなので、本人が意図して病気のメリットを得ようとしているわけではない場合が多いのです。ここは誤解しないでくださいね。

本人としても早く回復したいのに、なぜか回復ができないという場合に、心の防衛反応としての「疾病利得」を疑う場合があるということです。

心配な場合は自己診断をせず、必ず医師の診断をあおいでください。