内閣府が公表した「令和5年版高齢社会白書」によると、令和元年時点の健康寿命は、男性が72.68年、女性が75.38年と年々延びているそう。「超高齢化社会」の現代、年を取ることに落ち込んでしまう人もいるのではないでしょうか。しかし、50万人の悩みと向き合ってきた92歳の聖心会シスター・鈴木秀子さんは「年を取るって、素晴らしいこと」と話します。今回は、その鈴木さんの自著『あなたは、そのままでいればいい』より、人生100年時代を軽やかに生き抜くヒントを一部ご紹介します。
年を取ったら、自分自身を大切にする
年を取るのは、なにかをがまんすること。そんなふうに考えていませんか?
歩くのが大変になってきたから、習い事をやめる。
健康のために食べたいものをがまんする。
耳が遠くなってきたから、お友だちとのおしゃべりをあきらめる。
食が細くなってきたから、家族との外食をあきらめる。
年を取ると、体力も気力も衰えてくるのは自然の摂理ですから、抗(あらが)うことはできません。
でも、なにかをあきらめたり、がまんするのではなく、どうか次の言葉を自分に言い聞かせてください。
年を取るほど自分を押し殺さない。
あなたはこれまで、親のため、子どものため、家族のため、仕事のためなど、だれかのために十分に生きてきました。
だからそろそろ残された人生を、自分のために生きてもいいのですよ。
年を取ったら、自分自身を大切にする。
それはわがままなことではありません。
もっともっと自分をいたわってください。