年を取るほど、自分を押し殺さないでくださいね

私は食事をするとき、決めていることがあります。

それは、今日あった嫌なことを思い返さない、ということです。

そのためには、目の前に出された食事のことを考えます。

「このにんじんは、どんな農家さんが育てたのかしら。ありがとう」と感謝したり、「お米が実った黄金色に輝く秋の田んぼを見てみたいな」と自然に思いを馳せたり、「今日はつくったことがないレシピに挑戦できたわ」と自分を褒めたり。

目の前の食事を楽しむことが元気の秘訣だと感じています。

目の前に話す相手がいないときは、亡くなった両親や友人、遠くで暮らす家族など、話す相手を心に決めて語りかけます。

生きているときはどんなに厳しくて口うるさい親だったとしても、もうあなたを否定することはありません。亡くなった方は、絶対的に肯定的だからです。

「お母さん、このにんじんは甘くて美味しいね」
「このレシピに新しく挑戦してみたの。どう?」

こんなふうに話しかけてみるといいですよ。

ひとりで食事をする人であれば、だれに遠慮することもありません。いつ食べてもいいですし、どんなふうに食べてもいいのですよ。

最後にもう一度。年を取るほど自分を押し殺さないでくださいね。

※本稿は、『あなたは、そのままでいればいい』(扶桑社)の一部を再編集したものです。


あなたは、そのままでいればいい』(著:鈴木秀子/扶桑社)

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