男子学生の勉学の場をお借りしているような雰囲気

学生たちにとって、学校という場で異性と机を並べるのは、小学校を卒業して以来のことでした。

おそらくお互いに関心はあったでしょうが、話しかける勇気がある人はほどんどいなく、女子学生たちは教室の前の方に集団で席を取って、授業を受けていました。

『三淵嘉子 先駆者であり続けた女性法曹の物語』(著:神野潔/日本能率協会マネジメントセンター)

授業が終わっても、自然と女子だけで行動するようなところがあったと、嘉子自身も振り返っています。

大学で中心となっていたのは、やはり男子学生でした。

人数の少ない女子学生は、男子学生の勉学の場をお借りしているような雰囲気だったとも、嘉子は後に語っています。