不安から救ってくれた未確認生物たち

HG :偉い大学教授になってもないのに図鑑出せるだけですごいことですよ。本を受け取った時、感動しましたね。

八木 :そう、ゲラの段階では、「間違いがないかな?」と目を光らせるのに忙しかったけど、いざ本になったのをマック(マクドナルド)で見た時は、ただただ感無量だった。

HG :マックで見てたんですね。

八木 :コロナで、日本中、世界中の人が揺らぐはずがないと思っていた土台から揺さぶられたと思うんです。僕は、特に営業が主戦場だったのに、営業がゼロになった。コロナがあけるのかあけないかもわからない。子どもは2人いて小学生だし、ローンも残ってるし。とんでもない不安の中に叩き込まれてしまった。そんな中、朝起きて毎日未確認生物を描くことはいつもと変わらずやって。ただただ精神統一みたいな意味合いで描いてたんだよね。

HG :八木さんの精神統一って、人と全然違っててすごいですよ。

八木 :でも毎日描き溜めてはいたけれど、全く発表のあてがなかった。その出口を作ってくれたのがHGがイラスト化してくれた瞬間だったんだよね。2022年1月に、営業の相方だったきんに君が吉本辞めることになり、RGに悪いなと思いながらHGを頼って、ネオ☆健康ボーイズを立ち上げた。思えば、きんに君が辞めちゃってすごく辛いところからこの『未確認生物図鑑』の道が開けたんだなぁと思うと、本当にマックで涙流しそうになった。

HG :マック強調しますね。(笑)

八木 :俺は、営業もたくさんこなしてるし、ファイナンシャルプランナー2級の資格も持ってるし、ある意味すごい現実的に生きているところがある。だから、その反動で「未確認生物」の世界で心のバランスをとっているのよ。

HG :八木さんが営業で見せてる気配り、半端じゃないですしね。

八木 :気配りひとつで、次呼ばれるかどうか変わってくるからね。

HG :確かに僕も無心で絵を描いている時は癒されます。今って、iPad1つ持っていれば自宅じゃない場所、移動中とかでも絵が描けるんですよね。

八木 :どうやって生きていこうっていう不安から救ってくれたのがこの未確認生物たちだったね。

HG :毎日アイデア枯れないのすごいですよ。

八木 :枯れはしないんだけど、前描いたのとソックリなやつ描いてたりはする。(笑)

HG :1000体以上描いてたらそうなりますって。

八木 :それは間引くとして、また第2巻、3巻出そうな。

HG :もちろんフォー(4)巻もですね!