(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
総務省が公表した資料「統計からみた我が国の高齢者」によると、総人口に占める65歳以上の割合が過去最高の29.1%と推計されるそう。そこで今回は、「人生100年時代」を楽しく生き抜くための知恵が詰まった書籍『人生100年時代を豊かに生きる ヨタヘロしても七転び八起き』より、評論家の樋口恵子さんと昭和女子大学総長の坂東眞理子さんの対談をお送りします。

大きな病気

坂東 89歳での乳がん。驚きましたが、今はすっかりお元気になられたようで安心しました。

樋口 お医者さんがお上手だったのでしょう。手術そのものは2時間半程度で終わり、麻酔から覚めたときもちっとも痛くなかったんです。メスを入れたのですから、1晩か2晩はうなる覚悟をしていたんですけれどね。その後の回復も順調で、先日も半年に一度の検診を受けたばかりですが、まったく問題はありませんでした。

坂東 長くお付き合いさせていただくなかで、健康に関してもこれまでいろいろなお話をうかがいました。確か子どもの頃には肺結核と腎盂炎。それから70代でも大きなご病気をされたそうですね。

樋口 はい。77歳のとき、感染性胸腹部大動脈瘤(かんせんせいきょうふくぶだいどうみゃくりゅう)というひどい病気をいたしました。お腹のあたりの大動脈にできた瘤(こぶ)を3つも切除してまた塞ぐという大手術でした。医学ってすごいものです。ただ、乳がんのときとは違って、あれは本当に痛かった。痛くて、痛くて泣きました。