かけがえのない友人

樋口 人生の価値とは何だったかと振り返ると、やはり女友だちの存在が大きかったと思います。でも、考えてみたら休学中に友人のお見舞いを一度も受けていません。風邪で2~3日休んでも、必ず誰かがお見舞いに来てくれたのに。音信したその友人から毎日のように届く手紙だけでした。理由は、肺結核という私たちの病名です。患者がいる家の門の前は走って過ぎ去る。今のコロナより恐れられたのです。

みなさん、どうかお友だちを大切にしてください。

坂東 高齢者の単身世帯や夫婦2人暮らしが増えています。なかでも女性は平均寿命が男性より約6年長く、夫が年長のカップルが多いので、おひとりさまの期間が長くなる可能性が高いです。

固い絆に結ばれた大親友とか、お互いのすべてを知り尽くしたような深い関係でなくていいと思うんです。気軽におしゃべりできる人、一緒にごはんを食べて楽しい人、何かあったら助け合える人。そんな“ゆる友”が何人かいると、心強いですね。

樋口 そう。私も深いとか浅いとかの友情のグレードは関係ないと思います。コロナで人恋しかったあの感覚を忘れずに、どうぞ出会ってください。

※本稿は、『人生100年時代を豊かに生きる ヨタヘロしても七転び八起き』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。


人生100年時代を豊かに生きる ヨタヘロしても七転び八起き』(著:樋口恵子・坂東眞理子/ビジネス社)

「人生100年時代…長生きするなら、幸せの時間も2倍にしましょう!」

時代の先端に立ち、世の中をリードしてきた先駆者2人。

現在の日本が直面している超高齢化社会を、楽しく豊かに生き抜く知恵を紹介します。