語り合える友をつくろう

樋口 坂東さんもおっしゃっていましたが、このコロナ禍で、長く外出が制限されたでしょう。ちょっと人に飢えませんでしたか?

坂東 その感覚わかります。オンラインで仕事や情報交換はできるのですが、面と向かわないと心が通い合った気がしない。人生でリアルな人との出会いがいかに大切か、あらためて実感させられました。

「らぷらすフェスタ講演会」で行われた対談。終始なごやかな雰囲気でときに笑いも。(写真:『人生100年時代を豊かに生きる ヨタヘロしても七転び八起き』より)

樋口 本当にそう。私が今あるのも、多くの友人や仲間、これまで出会ってきた人たちのおかげです。こんな殊勝なことを言うなんて、やはり年を取るのも悪くないですね。私、良い人になりました。

小学校からずっと一緒で、高校も大学も手を取り合い一緒に受験して、一緒に合格した女友だちがいたんです。あちらはNHKに就職して、私は途中からフリーのもの書きと働く場は違ったけれど、ずっと同志のようなものでした。

そういえば、彼女とは、女学校1年生のとき結核で休学したのも同じでした。お互い安静にしていなければならなかったのですが、初期の結核は少し咳が出るくらいで、そんなにつらくはないんです。2人でひたすら手紙のやりとりをしました。そんな親友だった彼女も昨年亡くなってしまいました。寂しいものです。