「アイスダンスの技術を習得したことが、僕の武器というか、特徴というか、自分を支えるものになっているといい」

アイスダンスという武器を持って挑む

第2弾に出演した2019年は、アイスダンスへの転向の直前。『氷艶 hyoen2019-月光(あ)かりの如く-』には、のちにパートナーとなる村元哉中(むらもとかな)ちゃんも出演していました。

以前から哉中ちゃんには誘いを受けていたので、リハーサルで新潟へ合宿に行った時、2人でアイスダンスのトライアウトをしました。誰もいない早朝に。これが1人で滑るのとはまったく異なる感覚で、面白かった。

当時の僕は、アイスショーなどで女性と組んで滑ることはあったのですが、照れもあってどうにも苦手で。でも今後エンターテイナーとして極めていくなら、絶対に必要な技術だとは思っていました。

一方で、シングルで勝負したいという気持ちもあり……。でも、スケートを追究する方向性が哉中ちゃんとは一致していて。だから、「挑戦してみるか。やってみないとわからないし」と思えました。

アイスダンスに打ち込んだ3シーズンは僕にとって大きな経験になったと思います。同じスケートでも、シングルとアイスダンスでは、滑りがまったく違う。靴一つとっても違いますし、カーブを描く際も、1人と2人では体の使い方が異なります。

距離を詰めながら、お互いが邪魔にならないようにスケーティングしなければならない。見ているのとやってみるのでは大違い。最初は、僕もかなり戸惑いました。一からのスタートだったと言っても過言ではありません。

そうしてアイスダンスの技術を習得したことが、僕の武器というか、特徴というか、自分を支えるものになっているといい。積み重ねてきた経験が、今後の舞台でどこまで生かせるのか。果たしてエンターテインメントの世界で通用するのか。僕自身も楽しみです。