『俺は100歳まで生きると決めた』(著:加山雄三/新潮社)
2024年で87歳の加山雄三さん。俳優・歌手として活躍し、70代以降は愛船の火災や病に見舞われながらも、ニックネーム「若大将」そのままに人生を駆け抜けています。著書『俺は100歳まで生きると決めた』から一部を抜粋し、加山さんが語る幸福論をご紹介。今回は、夫婦について。仲良くしていられる秘訣は、愛し合い、信頼し合い、尊敬し合うことと、もう一つは――

朝ご飯が夫婦の絆を強くする

そして、俺がどんなに感謝をしても感謝しきれないのがカミさんだよ。

彼女がいなかったら、今の俺はいない。それは間違いないよな。仕事も、プライベートの生活も、彼女がいてこそやって来られた。

考えてみてくれよ。彼女と結婚したとき、俺は23億円の大借金を抱えていた。にもかかわらず一緒になってくれた。

その後も圧雪車に轢かれたり、脳梗塞になったり、小脳出血になったり、俺は何度も三途の川を渡りかけた。その都度俺を救ってくれたのはカミさんだった。彼女がいなかったら、俺はとっくにあの世へ行っていた。

いまだに俺は彼女にまったく頭が上がんないけれど、なにもかも今があるのはカミさんのおかげだから、当たり前だよな。

夫婦が仲よくしていられる秘訣をみんなによく聞かれる。おたがい愛し合い、信頼し合い、尊敬し合うことだと思うけれど、もう一つあげるとしたら、毎朝ご飯を一緒に食べることじゃないかな。やってごらんよ。その日の最初のご飯を一緒に食べれば、おたがいを思いやれるようになるよ。