「被害者ポジション」でマウントを取る人

人が過去の身の上話をするときに、その話を遮って自分の不幸話を持ち出す人に出会って困惑した経験はありませんか。

例えば、

(写真提供:Photo AC)

「私はあなたよりもひどい目に遭ってきた」

「あなたなんかいいほうよ」

「あなたには家族がいるけど私は離婚してシングルよ」

「小さい頃からいつも私は虐待されてきたサバイバーなのよ」

「あなたなんてまだ旦那がいていいじゃない」

他人の話を遮り奪ってまでして、自分の不幸話をとうとうと語り始めます。

周りは困惑して黙って聞くしかありません。

「自分が世界一不幸な被害者」だと言えば、周りを圧倒できて優位に立つことができるわけですから、私のように不幸な者はいない、と訴え続けます。

まさに不幸であることを過剰に強調して訴えることから「不幸マウント」と呼んでいます。

これは、「私を一番大事に扱ってほしい」「誰よりも私に関心を持ってほしい」という自己中心性の表れでもあります。

そして、同時に周りから承認と称賛と愛情を求めている証拠です。つまり寂しさや孤独の問題を抱えていることが考えられます。

これは幼児期に両親に愛してもらえず、欲求や甘えを受け止めてもらった経験が少ないか、無視されてきたか、役に立たなければ認めてもらえなかったという、過去の幼児期の傷つきを乗り越えられていない可能性があります。

「私は不幸だ」とことさらに強く訴える理由には、私を大事にして、愛してほしい、受け入れてほしいという幼児的な満たされない欲求や依存心が影響しているのです。