2022年12月3日に公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」(井上雄彦原作・監督・脚本)。同作は世界的な人気を博し、興行収入は158億円にものぼった(24年5月28日時点。東映発表)。その作品が2024年6月10日より「Netflix」にて独占配信を開始。さらに8月13日からは、再び復活上映されることが発表され、多くのファンが歓喜している。そこで今回「SLAM DUNK」にまつわる記事を再配信する。(初公開日:2021年07月26日)
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『SLAM DUNK』とバルセロナ・オリンピックが巻き起こしたバスケブーム
1980年代後半より各メーカーがテクノロジー主体の派手な演出をメディアに打ち始めたことで、アメリカ同様、国内のスニーカー人気は加速し始めていた。その最中である1990年、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて『SLAM DUNK』(井上雄彦・著)の連載が始まる。
『SLAM DUNK』についての細かい説明は不要だろう。若者にとってリアリティーのある高校バスケットボールを舞台に、主人公の桜木花道を中心とした湘北高校バスケット部員の成長や、ライバルたちとの交流を描いた青春スポーツ漫画だ。
登場するキャラクター設定が実に巧妙だった。
実在するNBAプレイヤーの特徴やプレイスタイルが落とし込まれていた上、それぞれの着用するシューズがリアルに描かれ、かつパーソナリティーまで表現していたことで、フィクションとは思えないほどの現実味が付与されていた。また県大会1回戦負けが常だった弱小高校が、インターハイまで出場するという成長型ストーリーは、シカゴ・ブルズの快進撃と重ねて見ることもできた。
NBAと『SLAM DUNK』人気がクロスオーバーすると、それは相乗効果をもたらし、日本のバスケットボール人気はこの時期沸騰。その最中の1992年に、スペイン・バルセロナでオリンピックが開幕することになる。