「老化」と「加齢」は別物

寝たきりになるのは、決して「年だから」ではありません。

そればかりでなく、最近では、「年だからといって、必ずしも老化するとは限らない」ということさえ、明らかになりつつあるのです。

「筋肉量を測定してみたら俺、30代並みの筋肉量だって。もう50代なのに、すごくない?」などと、自分の測定結果に気をよくした経験はありませんか?

あるいは、周囲の人から、「私、まだ30代なのに、血管年齢を測ってみたら、60代って言われたんだけど。ひどくない?」といった言葉を聞かされた経験がある方もいるかもしれません。

一言でいうと、前者は老化が進んでおらず、後者は老化が進んでいるということになります。

つまり、老化は「可逆的」、わかりやすくいうと、一定に進むとは限らず、場合によっては後戻りすることができるもので、その人の努力次第で進んだり、進まなかったりする現象なのです。

「でも、実際に、年はとりますよね?」

確かに、人は生まれてから亡くなるまで、一定の方向に年をとっていきます。

年をとること、「加齢」は「非可逆的」で、いくら努力しても、たとえ1歳でも年が減ることはありません。

つまり、まず、「老化」と「加齢」を別物として考える必要があるのです。

「加齢」は避けられない一方で、「老化」は予防したり、進行を遅らせたりすることが可能です。

そして、「老化」することを最後まであきらめなければ、回避できる寝たきりもたくさんあると感じています。

※本稿は、『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』(アスコム)の一部を再編集したものです。


こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』(著:上村理絵/アスコム)

一生、寝たきりにはなりたくない人に!

高齢者の体と20年間向き合ってきた専門家だからこそ語れる、残りの人生を楽しめる体をつくる方法。