厚生労働省が公開している2020年の「介護保険事業状況報告」によると、施設に入所している<寝たきり>の人は300万人以上もいるそう。そのようななか、高齢者のリハビリを20年以上続けてきた理学療法士の上村理絵さんは「老化することを最後まであきらめなければ、回避できる寝たきりもたくさんある」と話します。そこで今回は、上村さんの著書『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』から、老化に負けない元気な体を手に入れる方法を一部ご紹介します。
ウォーキングだけでは、「寝たきり」は防げない
寝たきりにならないために、「肉体的な老化」を予防、改善するために何をすればいいのでしょうか。
「いつまでも元気な体づくりで何をやっていますか?」という質問をしたときに、真っ先にあがるのがウォーキングです。
スポーツ庁が発表した、令和元年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」でも、60代、70代の高齢者が「初めて、もしくは久しぶりに再開した運動」の1位は「ウォーキング」でした。
皆さんのなかでも、「1日8000歩を目標に歩くようにしている」という方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、残念なお知らせがあります。
項目のタイトルにもあるように、ウォーキングだけをしていても、寝たきりは予防できません。