結婚のよさは、前にも少し書きましたが、やはり二馬力になることです。すべてを二人で分かち合える。夫の世話になってばかりの私ですが、「私がいるからもう無茶な働き方はやめなよ」って言える。

そしてもう一つ、家族が増えることです。ご両親がいなくなったら一人ぼっちになるはずだった夫に、たくさんの家族を増やしてあげられたことは、私の最大の夫孝行だと思っています。

たとえ将来、この結婚がダメになったとしても、私は一回でも結婚できてよかったと思ってます。ウエディングドレスも着られたし、指輪ももらった。『ゼクシィ』も買えたし、新婚旅行も行けた。夢もいっぱい叶っています。

人間は、経験することで価値観が変わります。だから、いろいろな経験をしといて損はないと思うんです。離婚したとしても経験だし、結婚できていなかったとしても、婚活の経験は無駄じゃなかったと思います。

私は漫画家だから余計にそう思うのかもしれません。結婚したからこそ《サレ妻》《スピード婚》など「妻」「婚」のつく漫画を読むのが楽しくなりました。それまではあまり読まなかったジャンルなのに、いきなり興味を持つようになったのは、登場人物の気持ちがわかるようになったからですかね?

誰でも、経験が増えると人生は豊かになります。どんな形だっていい。ちょっとでも興味があるならぜひ、婚活や結婚にトライしてみてください。

とりあえず、私は結婚してよかったよ(今のところ)!

 

※本稿は、『50婚 影木、おひとり様やめるってよ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。


50婚 影木、おひとり様やめるってよ』(著:影木栄貴/KADOKAWA)

《恋愛免疫力ゼロだった人気漫画家が50歳にして結婚に踏み切ったわけ》
DAIGOの姉、内閣総理大臣の故竹下登の孫として知られる人気漫画家・影木栄貴が50歳にして結婚、おひとり様をやめるまでの道のりを赤裸々に書いた初エッセイ。
結婚は本当に必要なのか?
全力で日々頑張り楽しんでいる女性が一度ならず何度も考える疑問に、著者が選んだマイペースな結婚ライフとは?描きおろしエッセイ漫画も収録!