近くの一点を長時間凝視することが多い現代(写真提供:Photo AC)

厚生労働省によると、柔整師が手がける施術所(整骨院)は2018年末時点で約5万カ所となり、10年間で約1.4倍に増えたそう。現代社会で、それだけ体の悩みを抱える人が多いことの表れと思われますが、「疲れにくい体づくり」の専門家でパーソナルトレーナー・坂村純子さんによれば「従来の筋トレやストレッチは逆効果になることも。それより体の構造を正しく知って力みを取ることが大事」だそう。坂村さんの新刊『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』より実践的な対策を紹介します。

「眼」の動きで体の緊張や「力み」をとる

今では、老若男女問わず、大多数の人がスマホやパソコンを一日中見ているような生活になっていますが、近くの一点を長時間凝視することで、目の周りの筋肉はもちろんのこと、全身が緊張状態となっていると思われます。

人間の眼は、もともと近くを見るようにつくられてはいません。

人間がこの地球上に誕生したといわれる、原始時代をちょっと想像してみてください。

その時代は常に遥か遠くを見て、命の危険から身を守り、生きていくために狩りもしていましたよね。

時代は変わっても、人間の眼は昔も今も変わりはありません。

また、人間が立った姿勢で維持できているのは、目からの情報と三半規管のバランス情報があるからです。

筋肉だけではないのですよね。