とにかく軽やかでいらっしゃる
草笛さんはSKD(松竹歌劇団)御出身だからでしょうか、とにかく立ち姿や身振り手振りが美しくて、とてもではありませんが90歳には見えません。しっかりした発声と見事な滑舌で、イベント後もお一人で地方のテレビ局向けのVTR録りをされていたのです。
その声は、何枚もの間仕切りを超えて、大きな会議室に響き渡り、特に『九十歳。何がめでたい』の絶妙の間と抑揚をつけたタイトルコールの可笑しみと言ったら、ありませんでした。
その後は、ドレスからシャーベットカラーのパンツスーツに身を包み、キャストやスタッフの皆さんが待つ「乾杯」会場へ入られた草笛さん。
スタッフが構えるスマホカメラに向かって、昭和のピースも、令和の若者がとるポーズもなんなくこなすなど、とにかく軽やかでいらっしゃるのです。
そんな草笛さんだからでしょうか。拝見した映画のメイキング映像でも、イベント中も、エスコートなどはしていても、前田監督をはじめ、キャストの皆さんたちが草笛さんをちっとも“年寄り扱い”していないのです。