奇跡の90歳

書籍『九十歳。何がめでたい』の書影
『九十歳。何がめでたい』(著:佐藤愛子/小学館)

「年をとってくるといいところを見せようとか、ちょっといいことをやっちゃおうとか、そうなりそうなことがずいぶんありますけど、そこをなんの隔てもなくパァッとやって、やり抜いて終われたらいいです」
「まだやれるだけのことはやりたい」
「それが私の女優人生」

“リアル90歳”で主演映画『九十歳。何がめでたい』の公開イベントやPR番組などをすべてこなされたことは本当に御立派であり、近しいスタッフはみな、「奇跡」という言葉を連発していらっしゃいました。

そういえば、若々しく、美しい女性の形容に、「奇跡の~」というのがありますけれど、草笛さんこそ、「奇跡の90歳」であり、これを超えられる方は恐らくいらっしゃらないと思われます。

ちなみに、唐沢さん曰く、草笛さんは、90歳で映画に主演をされた“初めての人”でもあるそうです。

作品内には、草笛さんが「フンッ」と憤慨されるようなシーンがよく出てくるのですが、それらを見るにつけ、つい縛られやすい自身の年齢を「フンッ」と鼻で吹き飛ばしたいと思いました。お目にかかれて本当に光栄でした。草笛光子さん、ありがとうございました。