食料が買えなくなる

鈴木 インドは世界2位の小麦生産国ですが、ウクライナ戦争の影響で、小麦価格が上昇したことで、国内の安定供給のため小麦の輸出を禁止しました。

それに加えて、2023年7月、インドは米の輸出も禁止してしまいました。

(左)鈴木宣弘 (右)森永卓郎
鈴木宣弘「日本のように食料自給率が低い国は、食料が買えなくなる危険がある。一番怖いのはそこだと思うんですよ」(写真提供:講談社)

小麦の輸出が減り、価格が高騰すると、代わりに米を食べようということで、代替需要が発生します。その影響で今度は米の価格にも上昇圧力がかかってくる。いま世界の食料価格はそんなふうに連動して上昇している。

インドの動きを見て、これは危ないということで、同調する国が増えています。いま世界で食料の輸出規制を行う国は30ヵ国を超えています。

この動きが広がると、日本のように食料自給率が低い国は、食料が買えなくなる危険がある。一番怖いのはそこだと思うんですよ。