ネガティブなひとり言は脳の自殺行為だ
良いひとり言がポジティブな言葉であるのに対して、悪いひとり言はその逆のネガティブな言葉です。
ポジティブな言葉は脳を活性化させますが、ネガティブな言葉は脳の働きを抑え、フリーズさせてしまいます。
「ダメだ」「できないよ」といった自分を否定するような言葉や、「ちくしょう!」「ばかやろう!」という怒りの言葉、「もう嫌だなぁ…」といった嫌悪の言葉をつぶやいていませんか?
残念ながら、このような言葉を発すると、脳の働きが一気に悪くなります。神経細胞も活性化することなく、脳はフリーズ状態になるのです。
うつ病の患者の脳がまさにこうした状態になっています。
「視覚系」、「聴覚系」といった情報入力に関係する脳番地が落ち込むことで、「思考系」や「理解系」などワーキングメモリーに関係する脳番地が慢性的にフリーズし、「記憶系」や「感情系」の脳番地が動かなくなるのです。
そうなると、ますます気分が落ち込んで、さらにネガティブな言葉を発してしまいます。この悪循環によって、うつ状態から抜け出すことが難しくなってしまうのです。
ネガティブなひとり言は、自分で自分の脳を動かなくしてしまうわけですから、脳の自殺行為と言っても過言ではないでしょう。
ただし、人間ですから、ときにはマイナス思考になったり、落ち込んだりしてネガティブワードが口から出てしまいます。
そんなときは、「なぜ今、こんなネガティブな言葉を言ってしまったのか?」と、左脳を働かせて、その原因を推測してみることをお勧めします。
「どうしてこんな言葉が出たのかな?」→「きっと昨晩の睡眠不足で疲れているからだな」→「よし、今日はしっかり睡眠をとろう」
原因を考え、対策を決めることで、脳はフリーズすることなく、むしろ停止しかけたのが再び活性化することになります。
※本稿は、『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
『なぜうまくいく人は「ひとり言」が多いのか?』(著:加藤俊徳/クロスメディア・パブリッシング)
「ひとり言」には、自分の気持ちを鼓舞して、やる気を出させる力があります。
そんなひとり言のメカニズムを、脳科学的な視点から解き明かし、日常生活の中で上手にひとり言と向き合うことで、自分の能力を高める方法を提案していきます。