脂肪の多い食事が太る原因ではない(写真提供:Photo AC)

健康診断の結果などを見て「コレステロール値を下げないと病気になる」と言われてきた人も多いのではないでしょうか?しかし現在、厚生労働省のサイトによれば「食事中のコレステロールの上限値については専門家の間で決着がついておらず、現行の厚生労働省『日本人の食事摂取基準』では、食事中のコレステロールについては上限値を設けていない」とのこと。実際「コレステロール値は高めのほうが、元気で長生きする可能性が高い」と主張するのが医師・和田秀樹先生です。今回は先生の新刊『コレステロールは下げるな』より抜粋して、人生中盤から楽しく健やかに生きるためのポイントを紹介します。

「中性脂肪の多い食事のせいで太る」ということではない

みなさんは、こう思っていませんか?
「コレステロールの多い食品を食べると太る」と。

でも、それは大きな誤解です。
おそらく、多くの人は次のようにイメージをしているのでしょう。

「コレステロールの多い食事=脂肪が多い=内臓に脂肪が溜まる=太る」と。
しかし、実際は違います。
コレステロールの大部分は肝臓で作られています。

食事から摂取するのは2割ほどで、8割は体内で作られるのです。
このため、食事でコレステロールを摂らないようにしても、ほとんど影響がありません。

脂肪の多い食事で太ることはないのです。
私がこんな説明をすると、ほとんどの人は半信半疑の顔でさらに質問をしてきます。
「でも、肉や揚げ物など、脂肪の多い食事をしたら太りますよね?」と。

いいえ、それも誤解です。
確かに肉や油を使った料理には、コレステロールだけでなく中性脂肪が多く含まれています。
しかし「中性脂肪の多い食事を摂ったから太る」ということはないのです。