本当は太っていないのに「私は太っている」と思いこんでいませんか

自分の体型を気にする人は多いでしょう。
「私は肥満なのか、標準的なのか、それとも痩せているのか?」

体型は主観によるものなので、判断にばらつきが出ます。
私がよく感じるのは、まったく太っていない人が「自分は太っている」と思いこんでいることです。

痩せている人が「あと5キロぐらい落とさなきゃ」などと言うので、「そんなに痩せたら逆に体によくないですよ」と伝えると、納得しない表情を見せます。

自分の「BMI」知っていますか?(写真提供:Photo AC)

では、どこからが肥満で、どこからが痩せなのか?
それを知る<指標>としてよく使われるのが「BMI」(Body Mass Index =ボデイ・マス・インデックス)です。

メタボ健診などでも登場しますね。
「体重÷身長 (m)の2乗」という簡単な計算で割り出せます。

例えば、身長170cmで体重が65kgの人なら、「65 (÷ 1.7×1.7)=22.5」なので、「BMIは22・5」となります。
日本肥満学会の判定基準は、次のようになっています。

18・5未満:低体重
18・5〜25未満:普通体重
25〜30未満:肥満(1度)
30〜35未満:肥満(2度)
35〜40未満:肥満(3度)
40以上:肥満(4度)

みなさんも自分のBMIを計算してみてください。
いくつでしたか?
日本では22が「標準」とされています。

これを基準に「私は痩せている」とか「太っている」と判断する人が多いのですが、そこには大きな問題が2つあると思っています。

一つ目は<BMIの標準>を本当に信じていいのか、ということ。
二つ目は、痩せる必要のない<標準>の人が「痩せなきゃ」と思い、食べなくなること。

そして、太らなきゃいけない<痩せ型>の人が「痩せている」という判定に満足して、それを維持しようとすることです。

みなさんは<BMIの判定>なるものを信じ、<痩せがいい>と思い込んでいるのでしょうが、実はそれは大間違いです。
それどころか、とても危険なことなのです。

※本稿は『コレステロールは下げるな』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。


コレステロールは下げるな』(著:和田秀樹/幻冬舎)

・コレステロールが十分にあると血管が丈夫になる!
・コレステロールを下げるとがんやうつになりやすい!
・悪玉コレステロールは〝悪者〟じゃない!

コレステロール値を下げないと、動脈硬化、脳卒中を招くと医者に脅かされる患者も多いが、正常値まで下げることで本当に健康になれるのだろうか? 本書ではコレステロール値は高めのほうが、元気で長生きし、健康寿命も伸びるという驚きのデータが明らかにされる。人生中盤から楽しく健やかに生きるために必読の一冊。