人生初ライブ
当日、緊張しているせいか早く目が覚めた。
それから夕方までそわそわしっぱなしだった。
最寄り駅の女子トイレは行列で20分待った。しかし会場はそんなものではなかった。
人があふれ、入り口は長蛇の列。人が多いと聞いてはいたが、想像の3倍は多かった。こんなにたくさんの人を見たことがない。
双子コーデをしたり、ライブグッズのTシャツを着た人がたくさん。
熱気が立ちこめていた。
会場に入るとその広さに驚いた。3階席だったので、ステージは遥遠く。
開演が近づくと、みんながペンライトを光らせる。その景色は壮観だ。
そして音楽が鳴り響き、フードを被ったちゃんみなが登場。
その姿がモニターに映ると、会場のボルテージが一気に上がる。どよめきと歓声で凄まじい盛り上がりだ。
コロナ禍で声出しもずっと禁止でやっと解禁されたため、こうやって直接アーティストに声を届けられる喜びもひとしおなのだろう。
単なる喜びとは違い、この時を待ち侘びた切実な思いや、会いたかった!という強い思いが、渦のように立ち込めていた。
ちゃんみなが登場した時の衝撃は忘れられない。
体の奥底から震えたち、ゾクゾクして、やっと会えたという感動で、もうすでに泣きそうだった。
ちゃんみなを生で初めて見て、歌声を聴いて、気がついたら泣いていた。
理由なんてなくて、とにかく感動したのだ。
スターって本当にいるんだ。スターってこんなにも人の心を奪うんだ。
全身の細胞が沸き立って、瞳孔が開きっぱなしだった。
え、あのちゃんみな?ほんとうにあのちゃんみな?
毎日毎日何度も見て、聴いていたちゃんみながいる。
どの曲も家で聴きまくっていたものばかり。イントロが流れるたび会場は大盛り上がり。
ちゃんみなはMVと生歌唱で歌い方を大きく変えるのだが、アレンジがどれもあまりによくて、何度も聴いた曲もまた違って聞こえる。
すり減るほど(動画なのですり減りはしないが)聴いた曲が流れた時は、幸せすぎて溶けてしまいそうだった。
ペンライトを買えなかったのだが、ほとんどの人は持っていて、曲に合わせて振るので、持っていないと手持ち無沙汰だった。失敗した!次は絶対に持っていこう。
ファンしかしらない特有の掛け合いとかあったらどうしようと思ったが、初めての人も結構多く(ちゃんみなが初めて来てくれた人~と聞くと多くの人が手をあげていた)、アウェイ感は感じずに済んだ。