実資と道長のおじいちゃんは兄弟だった
さて、この実資ですが、おそらく「道長の系統より、オレの方が本家なのに」という思いをずっと捨てられなかったはず。それはどういうことかというと、実資、道長のおじいちゃんの代に遡る話なのです。
実資のおじいちゃんは実頼。道長のおじいちゃんは師輔。二人は兄弟で、お父さんは藤原氏のトップだった忠平。
忠平の後継をめぐって二人は競争するわけですが、お兄さんである実頼が常に一歩リードしていた。それで、村上天皇が即位した天暦元年(947年)に、実頼は左大臣に就任。同時に弟・師輔は右大臣に任ぜられた。
兄弟は共に村上天皇を輔佐し、「天暦の治」と呼ばれる善政を現出したのです。