厚生労働省が発表した「令和5年 賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の平均賃金は男性が350.9千円、女性が262.6千円だったそう。このような状況のなか、タイムズ紙のコラムニストの経歴を持つジャーナリストのアナベル・ウィリアムズさんは、「世界経済フォーラムによれば、現在のペースだと、男女間の賃金格差を解消するためには<257年>かかる」と話します。今回は、アナベルさんの著書『女性はなぜ男性より貧しいのか?』より一部引用、再編集してお届けします。
美のプレッシャー
美のプレッシャーの究極の結末は、少女たちの未来に向けた希望と社会参加の道を狭めてしまうことだ。
4万9000人の女性が対象になった研究によれば、身体的な印象を気にして出勤しなくなったり就職の面接をとりやめたりする女性が、少数ではあるが無視できない割合でいるという。(1)
別の研究では、若い女性の3分の2が、容姿を批判されるだろうからテレビに出たくないと回答している(2)。
これは心配だ。リーダーになるとか、ある分野ですぐれた業績を残すとかいったことは、人目につきやすくなることを意味するからだ。