(写真提供:イラストAC)

大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。7月14日の第27話「宿縁の命」にて、石山寺にて再会を果たしたまひろ(吉高由里子さん)と道長(柄本佑さん)。思い出話に花を咲かせるうちにふたりは――といった話が放送されました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるシーンを解説するのが本連載。今回は「烏帽子」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

烏帽子を付けたまままひろを口説く道長

前回のお話で思い出話に花を咲かせるうち、「やけぼっくいに火が付いた」道長とまひろ。

こともあろうに石山寺でそのまま肌を重ね、しかもそれで妊娠してしまうという筋書きに、石山寺もXで「参籠所で添い寝しないで」と投稿していました。

さてその添い寝シーンでお気づきになった方もいたかもしれませんが、「今一度俺のそばで生きることを考えぬか」と横になりながらまひろを口説いた道長の頭には、烏帽子がついたまま。

「こんな時くらい烏帽子を取ればいいのに」と思った視聴者の方がいたかもしれませんが…

今回はそれについてお話ししたいと思います。