家族とも、友人とも離れ、旅をしたい。しかし、一から準備し、決行するのはハードルが高いもの。手始めにひとりでツアーに参加してみると、寂しさよりも楽しさが優って―― 。本誌で人気の読者手記を、さえじまゆうさんが漫画化! 佐々木好子さん(仮名・神奈川県・主婦・75歳)は、手始めにひとりでツアーに参加してみると、寂しさよりも楽しさが優ったそうで――。
今思い返しても、よくぞ決断したものだ。それまでは、友人や娘などの後ろをひたすらついていく旅行ばかりだった。
実はイタリアに行ってみたいという夢があったのだが、同行してくれる相手がいない。海外旅行好きの友人はすでに行っているし、ほかの友人は海外が苦手。でも、国内旅行さえ人任せだった私が、ひとり外国を旅をするなんて、到底考えられなかった。
ところが、8年前の春の旅行シーズン、理想的なツアーを発見。行きたいと思っていた名所を一度で巡ることができる。個人では無理でも、ツアーなら何とかなるかもしれない。でも、団体旅行でひとりというのも、どうなのだろう?
申し込みの期限は迫っている。思い切って旅行会社へ電話をしてみた。「女性の1人参加の方はいますか」。それだけを聞くのに、胸はドキドキ。「今の段階ではいません」と言われてもなお、参加する度胸はない。しかし、日に何度もパンフレットを眺めては、諦めきれずにいた。
2、3日してまた電話。「1人、申し込まれました」との答えに、思わず、「では、私も参加します」と言ってしまった。「出発日が近いので、申込書が着き次第、大至急費用を振り込んでください」と手続きを促す声が迫ってくる。自分は何か、とんでもないことをしようとしているのではないか……。
↓↓↓日本にいても、もう旅が始まっているみたい……