心の傷

どうせ私なんか……という思いは、子供の時のトラウマが元になっている気がします。

自分への評価を正しく得られない時、心は傷つきます。

絵にはトラウマが<イラスト:岡崎友紀 『なんたって70歳! ― だから笑顔で生きる』より>

私の絵への評価を闇に葬った担任の教師は、自分が上手いと思う子の絵が選ばれなかったことで、その少年が傷つかないように配慮したつもりだったのでしょう。

しかしその結果、区の審査員たちに認められた絵を描いた子供に対して、その事実は誰にも言ってはいけないと強要したのです。

命令通り、誰にも言いませんでした。

でも、どうして内緒にしなければいけないのかがわからないままで、とても悲しかったし、深く傷つきました。

いただいた賞状も、描いた絵も、なんの意味もないものに思えて、飾ることもなく、二度と見ることもしませんでした。

もし教師があの時、私の絵が「特選」に選ばれた事実を隠さずに、正直に生徒たちに伝えてくれていたら、私は絵の道に進んでいたかもしれません。

そう思うととても残念です。