ゴミ屋敷に隙間が見えてくる

そうこうしているうちに、ゴミ屋敷だった祖父の家もだんだんと隙間が見えてきた。

ラタン家具をぜんぶ引き取ってくれた隣町に引っ越してきたばかりの姉弟は、最後のエアコン取り外しゴミ出し日に改めて来てもらうことになり、買った当時はそれなりにお値段しただろうラタン製のリビングセット一式、すべて第二の人生? いや家具生をはじめることになった。幸せになってほしい。

『私の実家が売れません!』(著:高殿円/エクスナレッジ)

仏壇も無事処分、古い家電もリサイクル法(※1)にのっとって処分され、二階の祖母の婚礼ダンスだけはもう階段をおろせないというので、大工のいとこが急遽出陣、バッキバキに解体してくれ、産業廃棄物としてこれまたトラックで無事搬出。

二階にあった謎のクラブ店用の装飾電飾も価値がありそうということでFさんが引き取ってくれた。

最初にやってきた古着屋のおじいさんは、Fさんが現れあらゆるものが売約済みになっていくなか、マイペースに服だけを運び、最終的には全部詰んで持って帰ってくれた。これは本当にありがたかった。

最初は40万といわれた片付けも、ちょっとした頭脳とテクノロジーと家族の動員で、8万ですんだ。

あれだけ、ものであふれかえっていたゴミ屋敷からすべてのものが消えると、びっくりするぐらいに広かった。

※1 リサイクル法
「家電リサイクル法」によって、特定家電の処分にはリサイクル料金を支払うことが定められている。メーカーや品物によって料金が異なるため要注意。おおむね1000〜5000円。