巻き物が600年代から現存

では、何が使われていたのでしょうか。それは竹ではなく、木。つまり木簡です。

木簡が存在していたという事実は古くから知られていたものの、「これは素晴らしい歴史資料だ」ということが言われるようになった1960年代から、より重要視されるようになり、水に漬かった状態の土の中から大量に出土するようになりました。

ただし、書物に仕上げるとなると、木簡は不便。やはり薄くて軽い紙を使いたい、となる。

なお日本の古い書き物というと、お経になるのですが、600年代から現存しています。すごいですね。

朝廷が整備されると、本を管理するために中務省の管轄下に図書寮という役所がつくられました。図書寮の紙屋院という部署では、紙も作っていました。

実はこの図書寮という名前、いまでも宮内庁の下に現存していて、大切な資料を保存しています。現在は、事前予約の上で閲覧室を利用できるようになっているようなので、興味のある方は調べてみて下さい。

《歴史探訪》本郷和人先生が同行! 平安貴族ゆかりの京都 2日間

開催決定!《歴史探訪》本郷和人先生が同行!平安貴族ゆかりの京都2日間

本連載で解説を務める本郷先生の解説の元で歴史の舞台を巡るツアー企画。好評につき、徳川編武田編に続く第3弾【平安貴族編】の開催が決定いたしました!

(写真提供:Photo AC)
<魅力あふれる旅のポイント>
●単に観光地を巡るツアーとは違い「歴史」の知識を深める、大人の為の学び旅です。
●歴史学者・東京大学史料編纂所教授 本郷和人先生が同行!現地を実際に見ながら、詳しい説明を聞き、質問し、歴史のダイナミズムを自ら体感することができます。
●今年の話題! 紫式部ら平安貴族ゆかりの京都を2日間かけて巡ります!また在原業平と菅原道真が活躍する『応天の門』(灰原薬/新潮社)を監修している本郷先生ならではの、ここだけの話も!?
<予定訪問地>
・華やかな藤原摂関時代をしのぶことのできる世界遺産「平等院」
・紫式部が「源氏物語」の着想を得たとされる「石山寺」
・平安遷都1100年を記念して創建!桓武天皇と孝明天皇を祀る「平安神宮」
・歴代天皇の居所「京都御所」
・菅原道真公をお祀りした神社の宗祀「北野天満宮」
<そのほか>
2日目昼食後には本郷先生との懇談会のお時間もご用意!
離れていても案内が聞こえるイヤホンガイド付きで「密」回避!
ご宿泊は京都市内の好立地なホテルへ!
*詳しくは読売旅行のサイトでご確認ください。