攻められて国が滅んだ場合
国を基準に考えてみましょう。
強大な他国が攻めてきて、国が滅んだらどうなるか?
まず、その国で暮らしていた庶民たち。
彼らはこれからも食料なり品物を作り、ずっと支配者層へ上納し続けてもらわないと困るので、滅ぼされることはありません。もちろん、厳しい差別を受け、プライドもずたずたにされて、「生かさず殺さず」の状態に置かれるわけですが。
一方で、支配者層。
彼らへの風当たりは苛酷をきわめます。たとえば王族は滅ぼされるでしょう。だれが新しい王か、民に見せつけるためです。そして万が一、生き延びた王族のもとに<反乱の旗印>として、民が結集すると厄介だからです。
そのうえで、貴族はどうか。
貴族というのは王族を支える者たちですから、これまた排除される可能性が極めて高い。
なかには処世に巧みで、外来の支配者にすすんで媚びへつらい、新しく作られる支配システムの一部に、自身の位置を作り出す者もいるかもしれない。でも、それは少数です。王族との距離が近ければ近いほど、王族と共に排除される可能性が高いと言える。