筆者の関容子さん(右)と

祖父、叔父が演じた「鬼平」を受け継ぎ

そして最近の充実ぶりは、映画『鬼平犯科帳 血闘』の大画面に如実に映し出されていた。

――そもそも「鬼平」こと長谷川平蔵は、祖父初代白鸚が最初に演じていますが、僕にとっては叔父吉右衛門イコール鬼平。

それを僕はリアルタイムで見て育ってきていますし、僕のところにその話が来たのはもう運命だと思ってます。

今回の監督も『鬼平』で育ったとおっしゃる方ですし、またこの作品に使う持ち道具、煙管(きせる)だったり煙草入れだったりがきれいに全部残っているんですね。

それが池波正太郎作品の風情になっているような気がして、歌舞伎以外でもこういうことがあるんだなと感じ入りました。