姉弟仲良し

──お姉さんとの仲はいいんですか。

いいですよ、すごく。姉は僕と同時期に肺がんやって、抗がん剤治療をしたりしたけど今は落ち着いている。何年も一緒に食事もしていないなと思って、この前久しぶりに銀座に連れていって、何でも食べてって言ったら、喜んでくれていたけど。

もう二人にとっちゃ最後の晩餐かなって思いながら。いや、だってそうでしょ。向こうも81だし、つえ使っているし、歩くのも大変だからね。車の乗り降りも大変だしさ。

向こうも最後の晩餐かも、と思って来たみたいね。まだ、がんは残っているから、旦那さんが心配して、普段は人がいるところへ行っちゃ駄目だと言って、コンビニも行かせてくれないんだって。

だから反対されると思ったけど、「トモ(智昭)ときっとがん患者同士いろいろ話したいこともあるんだろうから行っておいでよ、ゆっくり話しておいで」って送り出してくれたんだそうです。

それで本当に、ゆっくり話して帰したら怒鳴られたらしいよ。「こんな遅くまで何してるんだ!」って。姉からLINEが来て、しばらくうちには来ないでください、だって。

 

※本稿は、『本音』(新潮社)の一部を再編集したものです

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本音』(著:小倉智昭、古市憲寿/新潮社)

「小倉智昭」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか? 舌鋒の鋭さ、ふてぶてしさ? でも、その実人生はアップダウンの連続です。吃音(きつおん)だった少年時代、局アナからフリーに転じた後の貧乏暮らし、22年にも及んだ「とくダネ!」MC、がん闘病……そんな「まさか」の人生を、「とくダネ!」コメンテイターで年の離れた友人・古市憲寿さんを聞き手に振り返ります。驚きのエピソード、イメージとは違う意外な面が続々!