お店で出てくる氷入りの水には、自分で対策を

胃腸は“冷たいもの”も嫌います。

だから、水は常温で飲むのがおすすめなのですが、そうお伝えしている身として難しいのが、飲食店で出てくる氷入りの水です。

私は冬はもちろん夏でも、「氷を入れないでください」とお願いしています。

伝えるタイミングがなくて氷入りで出されたときは、一度口の中に含んで少し待ち、キンキンに冷たい状態が少しやわらいでから飲むようにしています。

「真夏は熱中症にならないように、少し冷たいものを食べたり飲んだりしてもいいのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、そもそも人の体は夏になると、発汗などで熱を体外に放出しやすい状態になっています。暑さに対応するために、体が自然と冷えやすくなっているのです。

もちろん灼熱の屋外で作業するなら別ですが、涼しい室内にいるときにアイスやかき氷、冷たい飲み物を摂ると、胃腸は必要以上に冷えて、体温まで戻すのにかなりのエネルギーを使います。

エネルギーを消耗すると、夏バテを招きます。

ですから、胃腸を冷えたまま放置しないことが大切。冷たいものを摂ったときはそれで終わらせず、最後に温かいものを入れましょう。

甘味処でかき氷を食べたら、最後に熱いお茶が出てきますよね。このお腹を壊さないための知恵をお手本にして、胃腸をいたわりましょう。

※本稿は、『胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』(Gakken)の一部を再編集したものです。


胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』(著:櫻井大典/Gakken)

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