そして告げられた判決

その後汐見は、原爆の被害は一般災害の比ではなく、国家が十分な救済策をとるべきことは当然である旨を強調。その一方で、その職責はもはや裁判所ではなく、立法府である国会と行政府である内閣にあると述べました。

終戦から十数年が経過し、高度の経済成長を遂げた日本において、国家財政上、救済ができないことが不可能とは到底考えられない、と非難しながら政治の貧困を嘆きます。

最後に「主文。原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。閉廷します」と判決を述べる汐見。これにより、実に8年にわたって続いた裁判は「国の勝訴」で結審しました。

判決を前に、よねのほほには一筋の涙が。そして岩居が亡き雲野の写真立てをそっと手に取ったところでドラマは幕を下ろすのでした。