林 でも、なんにもないのよ。
中園 毎年「不倫に気をつけて」と忠告してるんだけど、どうも書くことで、全部使い果たしちゃってるみたい。
林 なんにもない。それに歳を取ってくると、もうわからなくて。みんながどういうことをしてるのか……。
清水 そんなわけはないでしょうけど。(笑)
林 ほんとよ。だから小説を書きながら、男友達に「こういう時はどうするもの?」って、思いっきりエロいことをLINEで聞いてますよ。そうすると、向こうは喜んで返してくるから、長いエロLINEのやりとりが続くんだけど。今までは調べなくたってなんとなく書けてたのに、歳を取ったらすべてが遠くにいってしまって、想像だけじゃ書けない。
中園 こんなことを言いながら、真理子さんは夫のために毎晩、ごはんをつくってるんですからね。信じられないでしょう。天下の林真理子に、「メシはどうするんだ」とかおっしゃるらしいですよ。
清水 エッセイでもおなじみの。
林 土日に出かけようとすると、すごくムッとされるのよね。でも清水さんだって、夫のごはんはつくるでしょう?
清水 つくりますね。でも、自分好みのものをつくることが多いから、「夫のために」という意識はあまりないかも。
中園 でも私は、こちらのご主人の見かけがタイプなんですよ。
林 最近私たち、男性の好みがズレてきたよね。
清水 昔は一緒だったの?
中園 そう。100人くらい男性がいるようなパーティー会場で、私が「あの人すてきだな」と思うと、真理子さんが「いい」と思う人も一緒なんですよ。
清水 それは見た目?
中園 ……と、醸し出す雰囲気。