同じジムで一緒にトレーニングも

他にも、僕が懇意にしている占い師に妻の窮状を打ち明け、方向性を教えてもらったこともありました。

鑑定結果は「ジムがストレスの発散になっていると出ています。仕事は現状維持くらいにしておいて、趣味と健康維持に努めると、異動により環境がマシになるでしょう」とのこと。
そしてこのアドバイス通りにジム通いに勤しんでいたところ、ほどなくして異動。大変働きやすい環境になりました。
今の店舗はパワーリフティングにも理解があり、大会日程に合わせて休みが取れるのだそう。
一時期悩んでいたときに比べると雲泥の差。一概には言えませんが、やはり辞めずに踏ん張ることも、大事ですよね。現在妻は、パートさんとの関係も良好で店舗責任者として楽しく働いています。

もちろん家族もパワーリフティングには全面協力。

僕はよく周囲から、お子さんの面倒も家事も大変ですよね、と言われます。正直、還暦で小学4年と幼稚園の年少さんのお世話は疲れます。

幼稚園の送迎のために、下の子を自転車のチャイルドシートに乗せるときグキッってなったこともありました。でもご安心を。最近は妻に触発されてほぼ毎日、件の公営ジムで2時間ほど汗を流しているので、腰を痛めることもなくなりました。

妻のおさがりのベルトやアームバンドを使い、時々ですが、同じジムで一緒にトレーニングをしたり。
おかげさまで腹筋が割れるくらい鍛え上げることができ、今では坂道も荷物の上げ下ろしも苦になりません。

ジムに通い始めてから気が付いたのですが、スミスマシンというバーベルをレールに沿って挙げられるものがあり、「ああ、妻はこれがきっかけでパワーリフティングに目覚めたんだな」と。これなら初心者でも安心してバーベルを挙げられます。
その隣には、ベンチプレスもあるので元パワーリフティングの選手の方に手ほどきを受けたんだなー、なんて思い返したりしています。

小林和沙さん
(Photo Hiroki Nishioka)