「心身ともにくつろげて、〈帰りたい〉と思える家を持つことが、食べることや着飾ることより大事だと考えています」(撮影:鍋島徳恭)
2024年10月28日放送の『徹子の部屋』に池畑慎之介さんが登場。朝ドラ『おむすび』で、糸島のスナックの店主・ひみこを演じ、先週放送の糸島フェスでは自前の豪華絢爛な衣装を披露した池畑さん。朝ドラの糸島ロケでの出来事とは――。そこで、自由なひとりぐらしの様子を語った『婦人公論』2024年9月号のインタビュー記事を再配信します。

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50年以上ひとり暮らしを続ける、おひとり様のベテラン・池畑慎之介さんは、自宅の居心地のよさをなにより大事にしているそうです。賃貸物件を転々としていた時期もありましたが、今は老後を見据え、工夫を凝らした一軒家を建て、自由なひとり暮らしを楽しんでいます(構成=内山靖子 撮影=鍋島徳恭)

階段もコンロも安全第一で

相模湾を望む、神奈川県横須賀市の佐島に新しい家を建て、3年前に引っ越しました。引っ越しを決めた理由はただひとつ。52歳のときから暮らしていた、新居と同じ三浦半島の秋谷(あきや)の家が、「階段だらけ」だったからです。

16歳で上京し、若い頃に1年間だけ同棲した経験はあるものの(笑)、それ以外は72歳になる今日までずっとひとり暮らしをしてきました。

誰かと一緒にいるほうがリラックスできるという方もいますけど、私の場合は、家でひとりきりの時間を過ごすことで自分自身をリセットできる。心身ともにくつろげて、「帰りたい」と思える家を持つことが、食べることや着飾ることより大事だと考えています。

秋谷の家も、自分で設計し、インテリアなど細部までこだわったお気に入りだったので、ここを終の住処にしようと考えていました。

ただ、リビングや屋上から海が見える眺望を優先したため、丘の斜面の土地を購入してしまったのです。必然的に、どこへ行くにも階段が必要な家になってしまって……。