リターンを最大化するには

頻繁に取引をすればリターンは高まるのだろうか。

むしろその逆で、リターンは低下する。複数の研究で、取引の頻度とリターンには負の相関があることが示されている。アメリカで6万5000人以上の投資家を分析した研究では、市場で特に活発に活動した投資家のリターンは、特に何もしなかった投資家の半分だった(2)。

『年1時間で億になる投資の正解』(著:ニコラ・ベルベ 翻訳:土方奈美/新潮社)

運用資産というのは石鹸のようなものだ、という格言もある。触る回数が増えるほど、どんどん小さくなる。

株式投資のリターンを最大化する一番良い方法は、長期間(理想的には数十年)にわたって株に勝手に働いてもらうことだ。

過去を振り返ると、北米とヨーロッパの株式市場は10年のうちほぼ7年は上昇している。投資家の資産が減るのは、10年中3年だけなのだ。長い目で見れば、オッズは投資家にかなり有利だ。

だが翌週、翌月、あるいは翌年の株式相場がどちらに動くか、予測するのは不可能だ。ニューヨーク証券取引所はある年に22%株価が上がったのに、翌年は9%下落し、さらに翌年には14%上昇するといったことも珍しくない。