(写真提供:Photo AC)
金融庁が公表した「NISA口座の利用状況調査」によると、2024年6月末時点のNISA口座数は2427万6789口座で、2024年3月末から約105万口座増加しました。そのようななか、記者や金融ジャーナリストとして活動する、カナダ出身のニコラ・ベルベさんは「投資にリスクはつきもの。だが、投資しないのはもっとリスクだ」と語っています。そこで今回は、ニコラさんのベストセラー『年1時間で億になる投資の正解』から、一部を抜粋してご紹介します。

暴落はありふれたこと、避けられないこと、そして必要なこと

2020年に起きた新型コロナウイルス感染症に起因する市場の暴落によって、僕の運用資産はかつてないほど落ち込んだ。ほんの数週間で、数年分の給料に匹敵するほどの大きな穴が開いた。

それでも売却を考えることもなければ、不安で眠れなくなることもなかった。とはいえ自分に特別な才能があるとか、マゾの気があるとも思わない。

なぜ平静でいられたのか。それは株式市場の暴落はありふれた事象で、避けることはできず、また必要なものでもあると学んだからだ。

たとえば過去のデータが最もよくそろっているS&P500を見ると、1920年代以降、平均して年3回、5%の下落が起きている(1)。

さらに急激な下落も頻繁に起きている。過去100年を振り返ると、ほぼ16カ月に一度のペースで10%の下落が起きている。

では20%の下落はどうか。過去100年で見ると平均して7年に一度のペースで起きている。そして1950年代以降、S&P500の50%近い下落は3回、つまり22年に一度起きている。

「株式市場が乱高下すること」は周知の事実で、これほど頻発しているのだから、いまさら驚くに値しない。だがそれでも毎度のことのように投資家は驚かされている。