アルツハイマー病の改善に効果がある

このことから、アルツハイマー病の患者さんが歩くことで認知機能に改善がみられるのは、マイオカインの分泌量の変化が根底にある可能性が示唆されています。

歩くことは、アルツハイマー病を発症しにくくするだけでなく、すでにアルツハイマー病を発症した患者さんの認知機能にもプラスの影響を与える可能性があるのです。

マイオカインは脳ばかりではなく、肝臓、血管、脂肪細胞などの全身の臓器に影響を与えることがわかっています。

女性ホルモンの「エストロゲン」や、男性ホルモンの「テストステロン」などの性ホルモンの一部も、マイオカインとして筋肉から分泌されます。

また、うつ症状を抑えたり、脂肪を燃えやすくしたり、がん細胞の増殖を抑制したりすることにも関連するものがあります(「アプライド・フィジオロジー・ニュートリション・アンド・メタボリズム」2020年)。

※本稿は、『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

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百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』(著:伊賀瀬道也/PHP研究所)

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