出会った人たちの存在もきちんと残しておきたい
もう一つ、この年表には、働いてきた私自身の歩みを記録しておくだけでなく、これまでの人生で私が出会い、多大な影響を受けた人たちの存在を残しておきたいという思いもありました。
出版社のアルバイトからスタートして、今日のように自分の名前でコラムニストとして仕事ができるようになったのも、才能あふれる素晴らしい人たちとの出会いがあったおかげです。
すでに亡くなってしまった方も多いので、当時右肩上がりで発展めざましかった出版界を担った刺激的な人たちの名前を書き留めて、次の世代にきちんと伝えていかなければいけないとも考えました。
なかでも、私のライター人生に最も大きな影響を与えてくれたのが、編集者でありエッセイストでもあった三宅菊子さん。『an・an』創刊当時からの主力ライターで、8歳年上だった三宅さんは、私の「師」と呼べる存在でした。
知人の紹介で三宅さんのアシスタントになり、私もフリーランスのはしくれとして、あちこちの女性誌で原稿を書くようになったことで、念願だった実家からの独立も実現!