「この年表は、あくまで実用本位(笑)。自分のための備忘録のようなものなんですよ」(撮影:藤澤靖子)
実用本位で自分史年表を書きはじめたという、中野翠さん。時代が放つにおい、刺激的な人との出会い、家族の思い出が浮かびあがって……(構成=内山靖子 撮影=藤澤靖子)

手書きのメモからスタート

長い巻き物みたいで面白い、ですか? この「自分史年表」を作りはじめたのは、つい最近のことです。

70代後半ともなると、本当に忘れっぽくなっちゃって(笑)、原稿を書く際に「あれは何年のことだっただろう?」「どちらの出来事が先だったかな?」と、すぐには思い出せないことが増えてきたんです。

そういったことを確認するために、自分が過去に書いたさまざまな記事を探し出すのも億劫だし、万が一、事実と違うことを書いてしまったら、周囲にも迷惑がかかるでしょう。

だったら、これまで自分が「いつ、どんな仕事をしたか」を書き留めた年表を作っておけば、なにかと便利だろうと考えたのです。

つまり、この年表は、あくまで実用本位(笑)。自分のための備忘録のようなものなんですよ。まずは仕事のことを中心に、メモみたいに書き留めることから始めました。