喫煙者に多い小細胞がん
肺がんは、小細胞がんと非小細胞がんに大きく分かれると言いましたが、非小細胞肺がんはタバコとは無関係に発症する肺がんです。
これに対し、僕が診断された小細胞肺がんは、喫煙者に多い肺がんです。僕は60年以上もタバコを吸い続けてきたのですから、いつ肺がんになってもおかしくはないのです。
東大病院だけでなく、どこの病院でもそうですが、入院中はタバコを吸えません。病院の外に出て一服もダメです。そこまでして吸いたいとは思いませんが、入院中にタバコを吸っているのがバレたら、治療してもらえないと言われました。
タバコの体への影響は、禁煙して20年たたないと、吸わない人と同じにならないので、僕が今タバコをやめてもほとんど意味はありませんが、入院しているのですから、これも辛抱するしかありません。
ただ、タバコが吸えないと口さびしいので、何か食べたいのです。鳩サブレーのようなクッキー系のお菓子がよいのですが、僕は糖尿病でもあるので、高カロリーのお菓子を食べると家族にうるさく言われます。それで、もっぱら卵ボーロを食べていました。入院中は、ずっと卵ボーロを食べているような気がします。
それから、コーヒーも飲みたい。東大病院の1階にカフェがあるので、その店からテイクアウトできますが、買いに行くのがめんどうくさいのです。それでがまんしていましたが、そのことを中川さんに話したら、中川さんの秘書の方が買ってきてくれるようになりました。それからは毎日コーヒーを飲んでいます。
※本稿は、『養老先生、がんになる』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
『養老先生、がんになる』(著:養老孟司、中川恵一/エクスナレッジ)
心筋梗塞から4年。奇跡の生還を遂げた養老孟司先生が、がんになった。
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