【その2】自分を好きになり大切にすること
年齢を重ねるほどに、気力や体力が低下し、できなくなることが増えるのは当たり前のこと。正常な老化現象を気に病む必要がどこにあるのでしょうか。できなくなるのは、考え方を変えれば「する必要がなくなった」からなのです。
しかし残念なことに、「できなくなった」「変わってしまった」という事実にだけ目を向けて、自分自身を認められず、嫌いになってしまう人がいます。そういう人は、自分を大切にできません。
自分を大切にしない人が他者に優しくできるわけがありませんから、周囲からも疎まれ敬遠されるようになるのです。そして負の連鎖に追い込まれ、苦しみから抜け出せなくなってしまう。
大事なことは、自分を好きになり大切にすること。そうすれば、他者にも親切にする余裕が生まれます。
心をこじらせない6ヵ条「その3」「その4」につづく
保坂隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長
1952年山梨県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、現職。また実際に仏門に入るなど仏教に造詣が深い。
著書に『精神科医が教える お金をかけない「老後の楽しみ方」』(PHP研究所)、『精神科医が教える 繊細な人の仕事・人間関係がうまくいく方法』(三笠書房)、『精神科医が教える すりへらない心のつくり方』(以上、大和書房)、『頭がいい人、悪い人の老後習慣』(朝日新聞出版)、『精神科医がたどりついた「孤独力」からのすすめ』(さくら舎)などがある。