ゆずは、果汁や皮を料理やゆず茶にし、種で化粧水を作る。

お庭には豊富な野菜や果物

「ほら、足元を見てください。アスパラガスが2本伸びているでしょう。あちらの一画には、パクチーが自生しています。この鉢で育てているのは、芽キャベツです」。そんなふうに話しながら、伊藤さんが鉢植えの葉をひょいっと引っこ抜くと、丸々とした芽キャベツの群れが姿を現しました。

「今年の夏みかんはすべてリスに食べられてしまったのだけれど、来年はリスに負けないように急いで採らないと」。かくして庭を案内してもらっている間に耳にした名前を挙げてみれば、山椒、明日葉、イタリアンパセリ、ロマネスク、ビーツ、アーティチョーク、にんにく、レモン、ゆず、いちご、ルバーブなど、その種類の豊富さには驚きます。

「以前は畑を作っていたこともありますが、収穫しきれなくてダメにしたことも。畑を維持するのは本当に大変で。でも、葉山ではすぐにおいしい地野菜が手に入るので、今は庭にパラパラと種をまいて育ったぶんだけを収穫しています。

『アスパラガスがあるからピザを焼こう』とか『パクチーをラーメンに追加しよう』とか、自分のぶんだけ採れれば十分なんです」

芽キャベツを土から抜いたところ。ちょうど食べごろ。