(写真提供:Photo AC)
2024年9月、阿部慎之助新監督率いる読売ジャイアンツが、4年ぶり39度目のセ・リーグ優勝を果たしました。大混戦となった2024年シーズンでしたが、巨人OBで野球解説者の92歳・広岡達朗さんは「巨人が強くなったのではない。他がだらしないのだ」と厳しく評価しています。そこで今回は、広岡さんの著書『阿部巨人は本当に強いのか 日本球界への遺言』より一部引用、再編集してお届けします。

監督候補をメジャーに留学させろ

17年間で9度リーグ優勝した原巨人が終わったとき、巨人は原辰徳のもとでヘッド兼バッテリーコーチを務めた阿部慎之助を後任に指名した。強打の捕手出身で、明るい人柄はファンにも人気があって、巨人再建には悪くない人事だ。

監督は誰がどうやって選ぶのか、その現状と課題を考えてみよう。

まずアメリカのように、層が厚く充実したマイナーリーグがない日本では、コミッショナーが独自に指導者を育成する教育制度を作るべきだが、それもない。

また、そういう意欲的で熱心なコミッショナーをオーナー会議は歓迎しない。ではどうするか。