「あのとき、あの行動をしていたおかげで助かった」はよくあること
こうした教えは、もしかしたら人の世のとても重要な点を指摘しているのかもしれません。それというのも、よい行いの場合も、悪い行いの場合も、自分がやったことが、巡り巡って自分に返ってくるのは、実生活でも「けっこうよくあること」だからです。
たとえば、あなたの部下が会社に損害を与える大失敗をしたとしましょう。そんなとき、上司のあなたは「自分の指導力がなかったせいだ」と部下をかばい、全責任を引き受けたとします。
いったんは降格されるかもしれませんが、あなたの取った行動は周りから称賛され、多くの部下から信望を集め、それがもとで後に大出世を果たすことになった――。こういう話、わりとよく聞きますよね。
私自身の経験を振り返っても、「あのときによい行いをしておいたことが、結果的に自分の立場を押し上げてくれた」「以前、力を貸したあの人が自分の力になってくれたからこそ、この難局を乗り越えられた」といったことが何回もあります。
そう考えると、やはりこの世の中は「自分が行ったことは、すべて自分に返ってくる」という流れになっているのではないかと思うのです。