そんなとき、たまたま仕事を通じて、カウンセラーの長谷川先生と知り合い、力を借りることにしたのです。

しかし、「カウンセリングを受けよう」と言っても母は戸惑うばかり。そもそも、母自身に具体的な悩みがあるわけではないのです。

「もっと自分らしく生きてほしいの」と説明しても、「私は好きなように生きているわよ」と言い張ります。挙句、「催眠術のようなもの?」などと不安がったり、「私はおかしい人じゃない!」と泣いたり……。胸が痛みましたが、扉を開けてしまった以上、もう後には引けません。

ようやく、「会ってみるだけなら」と同意を得て、2人で長谷川先生に会いに行くことができました。すると、どんな話でも受け入れてくれる先生の人柄に安心し、以降のカウンセリングも承諾してくれたのです。

 

後編につづく