不安がったり泣いたり
とはいえ、最初から「カウンセリング」という方法を提案したわけではありません。まずは自分の力で母を変えようとしました。
その頃、60代にして夫を亡くしていた母は、2人の子どもをシングルマザーとして育てる妹と同居していて。孫たちに対しても「一番になりなさい」「愛される人になりなさい」と説く姿を見た私は、危機感を覚えました。
「お母さんの考え方はおかしい」「いつも『頑張れ』と言われて育った私はずっとつらかった」と訴えてみたのです。
母にとっては寝耳に水。これまでそんな反抗はされたことがないのにいきなり否定されたので、「この歳でそんなことを言われるとは思わなかった」「今さら私をあなたの理想の母親像にあてはめようとしているの?」と、たちまちケンカになっちゃって。
気づけば私も、昔、母に言われて嫌だった「あなたのためなんだから!」というセリフを投げつけてしまうありさまでした。